Kuratani Shigeru Weblog

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2019年12月22日

システムアーキテクト試験 受験記(2019年度秋期試験)

経緯

2019年秋期試験で、念願のシステムアーキテクト試験(高度試験)に合格をすることが出来ました。 システムアーキテクト試験個別の気付きと、初めてコンピュータについて学習をし始めた頃からの軌跡を記録しておこうと思います。

学習を始めた頃

初めて「コンピュータのこと勉強するぞ!」と考えて、書店で基本情報技術者試験の学習書を購入したのが、少し記憶が曖昧になっていますが、2007年頃のことだったと思います。
当時、WEB制作会社に勤務していた時でしたので、その頃だと思います。

WEB制作会社に転職をする前は、デザイン業務をしていて、書籍を購入してWEBサイトを作成していました。その頃から、「コンピュータのことをもっと知りたい」と思うようになりました。
当時はAdobeのオーサリングツールを使用して、静的なWEBページを作成して、レンタルサーバでWEBサイトを運営していました。

この状態になると、次にやることは決まっていて「WEBアプリ作りたい」ということなり、当時とても人気の高かったPHPを学習するようになります。
プログラミング言語を学習し始めると、「コンピュータのことを知らないとわからんな...」となりまして、情報処理技術者試験に挑戦をしてみようと考えました。

デザイン業務に携わっている頃は、いつも会社のMacを使用していましたし、自宅にPower Macを購入してプライベートでもいつもコンピュータを使用していました。
でも、コンピュータのこと何もわかっていなかったんですよね...プログラミング言語を学習しはじめて、その事に気付き、少し落ち込んだのを覚えています。

そうして挑戦を始めた情報処理技術者試験ですが、購入した教科書を読んでまた落胆しました。

まったく...わからん...

そりゃそうです。1995年当時大学生だったのですが、世の中Windows 95のリリースで大盛り上がりしている中、ゼミのレジュメを親父のワープロで作成をしていましたし、学部は法学部でコンピュータサイエンスの基礎なんてありません...そんな人ですから。

そこで、帰宅後に教科書を少しずつ読み進めながら、わからない事項をインターネットで調べるという勉強をしばらく続けたのを覚えています。当時も初心者にわかりやすく解説をしてくれているサイトはありましたので、とてもありがたかったです。
これと並行して、プログラミングに関する書籍や、システム開発に関連する書籍は時間が確保できれば、出来るだけ読むようにしていました。ネットワークやデータベース、CPUの書籍などコンピュータサイエンスを理解するのに役立ちそうなものは読んでいました。

これとても役立つと思います。直接、資格学習ではないのですが、いろんな書籍を読むことで、コンピュータサイエンスの諸領域の知識を少しずつ吸収することになるので、少しずつですが教科書に書いてあることが理解出来るようになっていきました。

どんな仕事でもそうですが、私も例外なく残業が多く、なかなか時間がとれないながらも少しずつ勉強を続けて、3年後に基本情報技術者試験に合格をすることが出来ました。
少しずつでも良いので、勉強を続けることが大切だと思います。
あと、私のように大学で情報科学(コンピュータサイエンス)を専攻していない方は、少しずつステップアップしていく方法を採るのも良いと思います。
私も資格学習を続けていて、「なかなか理解が出来ないな...」と思っているところに、ITパスポート試験が開始されて、第2回ITパスポート試験に合格してから、半年後に基本情報技術者試験に合格しました。
小さなステップを踏みながら学習を進めるのも一つの方法だと思います。

その後は、転職をしてシステム開発業務を仕事とするようになりながら、「いい加減に勉強をして、次の試験を受けないとな...」と思い少しずつ勉強を進めながら応用情報技術者試験に合格し、今回のシステムアーキテクト試験の受験まで学習を続けてきました。

私の場合は、足掛け13年かけてシステムアーキテクト試験に合格をしました。
これは、私がコンピュータサイエンスを全く知らない状態から学習を始めたからだと言えます。
大学でコンピュータサイエンスを専攻していなくても、地道に学習を続ければ情報処理技術者試験は合格出来ます。また、10年以上も時間は必要ないと思っています。
私が10年以上かかったのは、業務の忙しさにかまけて受験をしていなかったからです。
毎年受験をするように計画的に学習をスケジュールすれば、数年で高度試験も合格出来ると思います。情報科学を専攻している方だと、大学院時代に高度試験に合格される方もいると思います。すごいなと思います。

システムアーキテクトの話はどこいった?

そうでしたね。
今回、システムアーキテクト試験に合格してのこの1年の振り返りと気付きです。

各試験別の学習方法

高度試験は、以下の4つの試験ですべて60点以上を得点して、初めて合格となります。

  • 午前I試験
  • 午前II試験
  • 午後I試験(記述式試験)
  • 午後II試験(論文式試験)

システムアーキテクトですが、システム化計画からシステム導入とそれ以降の運用・保守までの工程に関して、技術面の責任者としてシステム開発を主導する職域となります。
以降、各試験ごとに検討をしていきます。

午前I試験

「基礎理論」「コンピュータシステム」「技術要素」「開発技術」「プロジェクトマネジメント」「サービスマネジメント」「システム戦略」「経営戦略」「企業と法務」の9分野から出題がされます。 基本情報技術者試験、応用情報技術者試験を受験されている方は、この試験の午前試験をイメージしてください。
9分野に関して、学習の穴が出来ないように理解を深めることが大切です。
学習方法に関しては、過去問の検討が有効です。市販の過去問集であれば、解説がありますのでそちらで学習をしてもよいと思います。

午前II試験

この試験は共通試験でなく、システムアーキテクト独自の択一試験となります。
分野としては、「開発技術」に関しての出題が主になります。
2019年度は、アジャイル開発の振り返り手法として広まっているKPTフレームワークに関しての出題があるなど、地道に開発分野に関して日々学習をすることが必要になります。
「試験勉強」として取り組んでしまうと、解けない問題も出題されます。

学習方法は、過去問の検討が有効だと思いました。
IPAのサイトから過去問をダウンロードして解き、わからない問題・不正解だった問題に関して、インターネットと書籍を使って理解を深めます。過去問を解いて、「どんな問題が出題されているか」を分析して、普段から情報収集に努めるのが正攻法だと感じました。
問題集をささっと解いて学習するよりも、「どんな問題がどのように出題されているか」を検討することが大切です。

午後I試験(記述式試験)

初めて受験される方は面食らうと思います。
高度試験というと「論文試験」に目が行きがちですが、午後I試験対策が合格には必要だと感じました。
私も2018年に初めてシステムアーキテクト試験を受験しましたが、この午後I試験で不合格となりました。
初めて受験すると「時間が足りない」という点をすごく感じると思いますが、この時間との戦いにプラスして、「どのように解答をするか」という点も意識をしないと、なかなか合格点にとどかないと思います。

「7〜8ページの問題文+1ページの問題」を計2問解答します。
一番陥りがちな間違いが、「問題文に解答が記述されていると考えて、問題文を探し回って、時間が足りなくなる」パターンです。
試験講評にもありますが、システムアーキテクトの試験は、「システムアーキテクトとして必要な知識が備わっているか」を問う試験です。問題文の言葉をそのまま解答すれば良いという国語の試験ではありません。この点を意識していないとなかなか60点以上を得点出来ません。

問題の解き方に関して、問題文を先に読んで問題文の該当するブロックを読み返すという方法もありますが、私はあまりお勧めしません。
問題文の数カ所にヒントがあり、問題文全体から解答をする問題も結構あります。この手の問題の場合、上記方法だと、解答すべき事項の一部のみ解答をすることになり、失点をしてしまいます。

問題のパターンですが、以下のパターンに分類されます。

解答パターン1

問題文のヒントがそのまま解答になるケースです。このパターンの場合は、問題文の解答となる問題文のヒントを特定して、出来る限り問題文中の文言を使用して解答をします。

解答パターン2

問題文のヒントがそのまま解答にならないケースです。このパターンは、問題文中のヒントからシステームアーキテクトの知識を使用して、論理的に解答を導き出して、ヒントに即して解答をします。
このパターンの出題が一番多いと感じました。

解答パターン3

問題文にヒントがないので、自分の知識で答える。このパターンは直近過去問を解きましたが、あまり多くはありません。問題文中の制約(条件)から、論理的に言える解答を記述します。

上記の解答パターンに関して、どのように解答を導き出すかを学習するには、過去問の検討が有効です。
過去問を丁寧に解きながら、IPAが配布している解答例になぜなるのかを検討するのが1番の試験対策になると思います。
IPAの解答例だけでは、解法がわからない場合は、資格対策講座がありますので、こちらでより詳しく解答の導き方を学習するのが良いと思います。

あと、生産管理システム、物流システム、販売管理システム、在庫システムなど主要なシステムの理解をしておくことです。上記主要なシステムの問題意識を事前に学習をしておくと、解答の際にとても役立ちます。問題文に制約(条件)が記述されていますので、その場で解答を論理的に導くことは可能ですが、普通の人は問題意識を事前に学習をしておかないと、問題文の問題意識がわからないと思います。

午後II試験(論文式試験)

初めて受験される方は、添削講座などを利用することをお勧めします。
私は2018年に受験をした経験がありましたので、時間配分なども自分なりの基準を設けることが出来ました。2500〜3000文字程度を2時間で書き切ることになるので、とにかく手が痛くなります。

形式面で大切なのは、章立てをしっかりとすることです。
問題文のどの質問に対して、どの章で解答をしているかがしっかりとわかるように、章立てはしっかりと構成をするのが良いと思います。

次に実質面ですが、システムアーキテクトとして必要な知識があるかを判断する試験になりますので、参画したプロジェクトの出来事をただ記述するだけではA評価をもらうことは難しいと思います。
「自分がどのように考えて、どのように行動したか」を具体的に記述することが大切です。
どのような記述が高評価に繋がるかは試験講評を読まれることをお勧めします。
「自分の経験から具体的にどうしたかを記述すること」が大切だと感じました。

他の受験者の方もされていますが、論述する可能性がある案件をピックアップして、以下の項目を事前に用意しておきます。

対象業務とシステム概要

私は、過去参画をさせて頂いたプロジェクトの中から論文試験で記述出来そうな8案件程に関して、上記記述を600字程度でワードで準備をしていました。 2019年度試験では、その内の1案件をそのまま記述することが出来ました。
論述時間短縮にもなりますし、事前の準備を通じて、過去案件の振り返りも出来ますのでお勧めです。

情報処理技術者試験を振り返って

資格試験では、その業務やその製品に関して基礎となる大切な知識が問われます。
「何が大切か」を判断することは、深い理解なしでは出来ません。
資格試験では、「大切なことを提示してくれて、合格すれば一定の知識があることも証明してくれる」ので、比較的多くの試験を受験してきました。

今回、システムアーキテクト試験に合格をしましたが、コンピュータに関しての理解、また、システムアーキテクトとして必要な知識を身に付けているとは思えません。 今後も、「これは必要だ」や「これは学びたい」と思ったことは、学び続けて行こうと思います。

あと、システムアーキテクトを目指して、試験に合格できたので、これから実務でシステムアーキテクトとして活躍をしていきたいと考えています。
これからどうやって自分を売っていくか、また、他のシステムアーキテクトの方からどのように学びを得ていくかを思案中です。
年末・年始に少し時間をとって考えたいと思います。